チープカシオのすすめ。安くて便利な最強のツールウォッチ!【おすすめモデルも紹介】

高級時計ブームに沸いて久しい昨今、スイスフランの高騰や歴史的な円安も手伝って、高級時計はますます庶民には縁遠い存在になろうとしています。

しかしお金がなければ腕時計を楽しめない、なんてことは決してありません。カシオには、通称「チープカシオ」、略称「チプカシ」という、安いものでは1,000円ぐらいから購入可能な腕時計があります。

正式名称は「カシオスタンダード」。耐衝撃性を追求したデジタルウォッチG-Shockや、デザインや外装に力を入れているオシアナスを「高級版」とすれば、カシオスタンダードは「普及版」、ないし「廉価版」と位置づけることができるでしょう。

しかし日常的に使用するには申し分ない頑丈さを兼ね備えていますし、デザインもレトロな魅力があり、ファッション性は十分。

しかもアイコニックなピースで、語れる要素も十分にアリ。こんなに安いのに、モデルやセレブや大統領にも愛用者が!? あなたもこの機会にチプカシデビューしてみませんか?

チープカシオの歴史|世界中で愛用されている現代人のインフラ



まずはチープカシオの歴史をおおまかに振り返ってみましょう。

チープカシオの製造元はカシオ計算機。言わずと知れた日本の計算機メーカーです。セイコーのクォーツ式時計が市場を席捲していた1972年、世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」を大ヒットさせました。

「これを腕時計に搭載できないかな?」と開発されたのが、1980年にリリースされた「データバンクC-80」。前代未聞の電卓付きの腕時計の誕生です。

その後継機種Ca-53W-1は映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で近未来的な小道具としても使用され、アイコニックなピースとして全世界に知れ渡りました。

その後もデータバンクは辞書機能(1982年)やアドレス帳(1984年)を皮切りに、ゲーム、カメラ、万歩計、温度計、はたまた通話機能やGPS、お財布ケータイまで、ありとあらゆるものにまで触手を伸ばしていきます。

アップルウォッチがやっていることを、30年以上前から先取りしていたわけですね。もちろん今日の水準では実用に耐えないので、残念ながらほとんど廃盤になっています。

ですが、その先進的な試みは21世紀の今、もっと高く評価されていいでしょう。

これらの時計までチープカシオに含めるかどうかは迷うところですが、ひとまずここまでを第一次チプカシブームとしておきましょう。

次にチプカシが良くも悪くも大きな話題になったのは、アメリカ同時多発テロでした。

アルカイダの司令官ウサマ・ビンラディンの写真が、その腕に巻かれたF-91Wとともに数多く出回り、またこのF-91Wをタイマーに用いた時限爆弾が試作されていたことも明らかになったのです。

2011年にウィキリークスによって公開された極秘資料によれば、当時のアメリカ当局は「F-91Wやその派生モデルを所有していること=爆発物製造訓練=テロリスト予備軍」と見なしていたことが伺えます。

しかしこれには「F-91Wは数百万人以上が所有している」、「F-91Wはもはや人類のインフラ」、「F-91Wは多くのアメリカ軍関係者だって持っている」といった反論も湧きおこりました。

またチプカシが特殊な任務にも十分に耐えられるだけのミリタリースペック級の腕時計であることを、図らずも世界中に発信することにもつながりました。

チプカシのブランドイメージを損ねることにはならなかったようですね。

第三次チプカシブームは、2015年のことでした。イギリス在住のとある男性が、子供の頃に紛失したチープカシオを、およそ20年ぶりに庭で発見したのです。

しかもまだ電池は動いていて、遅れもわずか7分に収まってというのです。写真つきでFACEBOOKにアップされたこの報告は、瞬く間に全世界的なニュースとなりました。

これが呼び水となって、若かりし頃にチプカシを着用したオバマ大統領やビル・ゲイツの画像が、ローマ法王が、木村拓哉が、星野源が、、、といった具合に、さまざまな著名人のチプカシ着用画像が大量にSNSを席巻しはじめたのです。

男性だけでなく女性までは「#チプカシ」のハッシュタグをつけて、コーディネートをインスタグラムに投稿するようになりました。

この流れは現在でも続いています。ためしにチプカシの画像アップしてみてください。いつもよりたくさんのハートマークやイイネがつきますよ、たぶん。

チープカシオのおすすめモデル

AE-1200WH-1A

さてそんな大人気のチープカシオですが、手に入りやすい現行品にはどんなモデルがあるのでしょうか。まずは自分が実際に愛用しているAE-1200WH-1Aから紹介したいと思います。

この時計を購入したのは海外旅行に便利なワールドタイムとアラームの機能がついていたからでした。

ワールドタイムがついている腕時計は、例えばパテック・フィリップやブレゲ、ジャガー・ルクルトなど、機械式時計にもあります。

またアラームがついている腕時計もジャガー・ルクルトのメモボックスなど、こちらもあるにはあります。

しかしどれもかなり高価な上、このふたつを同時に備えている時計は、現行のレギュラーモデルには見当たりません(少し前まではゼニスにありましたが)。

仮にあったところで、相当な価格設定になるでしょう。そうした腕時計を海外に着けていく場合は、なかなか勇気がいります。

治安が悪い地域では盗難や強盗の恰好の標的にされる危険性もあるでしょう。

その点AE-1200WH-1Aは2,500円ぐらいで買えますから、ぶつけても落としても盗られても、ダメージはさほど大きくありません。

海外や日本の時間を呼び出す操作も簡単だし、アラームも5本ついていますから、旅の疲れでつい寝過ごしたりする心配も皆無。

このAE-1200WH-1Aは帰国後も大いに役立ちました。38ミリの手ごろなサイズと、着用しているを忘れるほどの軽さ、日付や曜日つきのパーペチュアルカレンダー、タイマー、ストップウォッチ機能など、役立つ機能がてんこもり。

たとえばストップウォッチで毎日の睡眠時間や、勉強時間、仕事の処理時間、運動など、ストップウォッチで計測し、記録してみましょう。

機械式のクロノグラフはムーヴメントに負荷をかけるため、過度の使用は厳禁ですが、チプカシにはそんな心配もご無用。

これによって生活習慣を見直し、時間節約術を考案するいい経験になりました。

忙しい社会人や受験生、資格試験を目指している人には最強のツールウォッチと言えそうです。

デザインも左上のアナログ針表示と右上の世界地図がいいアクセントになっています。

レトロフューチャーなデザインで、便利なだけでなくファッションアイテムとしても非常に優秀です。

問題点を挙げるとすると、左上のアナログ表示がイマイチ視認性に欠けることぐらいでしょうか。

時刻を情報として読み取るぶんにはデジタル表示だけで十分ですが、アナログ表示があると時間の流れを視覚的に俯瞰できるので、テスト本番などでは極めて有効です。

受験生や資格試験を目指している人は、もう一本MW-240系あたりのアナログ時計があった方がいいでしょう。



まとめ:気になったらぜんぶ買っちゃおう

アイコニックなピースが欲しかったらスタンダードなF-91W-1JHか、データバンクDBC32-1A。

旅行や時間管理に最適なAE-1200WH-1A、シンプルでお洒落なアナログ時計腕時計が欲しかったらMW-240-2Bあたりがお勧めです。

どれにしようか迷ったら、、、思い切って全部買ってしまいましょう! 全部買っても10,000円でお釣りがきますから。

時計本体は頑丈で長持ちしますが、ウレタンバンドはG-Shockに比べると切れやすい宿命のようです。

ブレスタイプを買うのもアリですが、切れたら切れたでNATOストラップに付け替えるのもお勧め。

こなれた感じがしてカッコいいですし、表情もガラッと変わります。

安いけれどかなり長く使えるチープカシオ。時計本体もストラップもいくつか買ってみて、いろいろ楽しんでみてください。