ロレックスの歴史を年表形式で徹底解説!歴代モデルも紹介

時計に興味・関心がない人でも「ロレックス」という名は聞いたことがあるでしょう。

世界で最も有名な高級時計ブランドと言っても過言ではなく、その人気度、知名度、ステータス性は世界共通であり、成功の証としてロレックスを購入するのはよく見る光景です。

ステータス性だけではなく、過酷な環境下でも使える高い堅牢性・防水性を有し、製造するムーブメントはすべてスイス公認クロノメーター検定協会(COSC)から高精度時計の証である「クロノメーター」に認定されています。

さらに2015年からロレックス独自の時計規格「高精度クロノメーター」を定め、COSCの基準を上回る、厳格な検査を通過するなど、機能性・精度面でも非常に優れており、高い品質を誇ります。

また、年間の生産本数が少なく、高い資産性を持ち、一度、身に着けたものでも値崩れしにくく、人気モデルのデイトナ、サブマリーナーなどは、定価に対して2倍、3倍近くものリセールバリューが付くこともあり、買取相場は定価を大きく上回るプレミア価格となっています。

さらに希少価値の高いヴィンテージモデルは、現行モデルよりも高い値段が付くこともあり、オークションハウスでは数百万ドルで落札されることも多いです。

ロレックスは、その高い知名度とステータス性、資産性に注目されることが多く、歴史について知られることはあまりありません。

しかし数ある時計メーカーの中でもロレックスは現代の腕時計の礎を作り、数々の発明、偉業を成し遂げるなど100年以上にわたる、非常に奥深い歴史を持つ、マニュファクチュールブランドです。

今回は、イギリスで発祥した時計ブランド「ロレックス」の歴史について紹介していきます。

目次

ロレックスの歴史



ロレックスの歴史について、年表形式でトピックを紹介していきます。

創業年 1905年
創業者 ハンス・ウイルスドルフ
創業地 イギリス/ロンドン
本社所在地 スイス/ジュネーブ

1905年:ロレックス創業

ハンス・ウイルスドルフ

24歳のハンス・ウイルスドルフは義兄弟デイビスと共にロレックスの前身である時計専門商社「ウイルスドルフ&デイビス社」を設立。

当時、腕時計の性能はあまりいいものではなく、懐中時計が主流だった時代にウイルスドルフは腕時計の将来性に着目し、エレガント且つ信頼性、実用性も兼ね備える腕時計を作り出そうと考えていました。

そこで、ウイルスドルフは高精度の小型ムーブメントの製造が可能だったスイス・ビエンヌのエグラー社とパートナー契約を結び、同社のムーブメントを搭載した腕時計を販売しました。

1908年:ロレックスブランドの誕生

イギリスは時計関税が高額であったため、1907年に事務所をスイス・ラ・ショー=ド=フォンに移転。

1908年、ウイルスドルフは「ROLEX」を商標登録します。

名前は「短くて、どの言語でも発音しやすく、記憶に残り、時計の文字盤とムーブメントに刻印したときに美しくみえるブランド名にしたい」という考えから生まれました。

後にウイルスドルフは「アルファベットのあらゆる組み合わせを試し、数百の候補が挙がったが、これぞというものがなかった。

ある朝、ロンドンのシティで乗合馬車の2階席に座り、チープサイドを走行している時、天啓のように『ROLEX』という名前がひらめいた」と語っています(一説には、“rolling export”の造語とも言われています)。

1915年、社名を「ロレックス・ウォッチ・カンパニー」に変更しました。

1910年:腕時計として世界で初めてクロノメーター認定に合格

ウイルスドルフは徹底して腕時計の信頼性と高精度にこだわり、1910年、スイス・ビエンヌにあるクロノメーター歩度公認検定局(COSCの前身)にエグラー社製ムーブメントを搭載した腕時計を提出します。

厳格な検査のすべてに合格し、腕時計として初めて高精度時計の証であるクロノメーターの公式証明書を獲得しました。

1914年:キュー天文台からA級証明書を授与

クロノメーター認定後、当時、世界で最も厳しい検査を実施していたイギリスのキュー天文台にも自社の腕時計を提出します。

45日間に渡る厳しい検査を合格し、同天文台からA級証明書が与えられました。

この証明書は本来、航海で使われるマリン・クロノメーターなどの超高精度時計に与えられるもので、腕時計としてはロレックスが初めてであり、優れた精度の腕時計であることを証明しました。

1919年:ジュネーブに移転

時計製造で世界的に有名なジュネーブに会社を移転します。翌年、1920年にジュネーブで「モントレ・ロレックスSA」として登録されました。

1926年:世界初の防水腕時計「オイスター」誕生

オイスター

ウイルスドルフは腕時計が水気や汚れに弱いという点に着目します。高精度な腕時計に防水・防塵機能を持たせようと考え、完全な防水・防塵性能を誇るケース「オイスターケース」を開発しました。

大きな金属塊からひとつひとつケース原型をくり抜き、そのまま削り上げて作成し、ねじ込み式の裏蓋、リュウズを採用。これにより高い機密性を確保することができ、ムーブメントを完璧に保護することを可能にしました。

同年に特許を取得し、「オイスターケース」を採用した腕時計「オイスター」が発表されます。牡蠣(=オイスター)の殻のように固く閉じていることからその名が付きました。

1926年:「チューダー」創業

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ロレックスは当時では、革新的な技術力を持つ時計メーカーでしたが、高価であり、一般層の知名度は高くありませんでした。

ウイルスドルフはロレックスの知名度向上と優れた技術力を広く世間に知ってもらうため、ロレックスのディフュージョンブランド「チューダー」を設立します。

ブランド名はイギリス王家の「チューダー家」からとられ、イギリスの誰もが知っている名前をブランド名にすることで、一般層に親しみやすさを与えました。

ロレックスの高い技術を取り入れつつ、一般層でも手に入りやすい価格で販売され、チューダーはイギリスで人気を博し、同時にロレックスの知名度も向上しました。

1927年:防水腕時計の証明

イギリスの女性速記記者であるメルセデス・グライツがドーバー海峡の横断に挑戦。

彼女はロレックス「オイスター」を着用して泳ぎ続けていましたが、10時間以上、冷たい水中にあったにも関わらず、時計は全く問題なく動き続けていました。

その後、ロレックスは英国紙「デイリー・メール」に全面広告で防水腕時計の成功を掲載。世間の大きな反響を得ました。

1928年:「プリンス」の誕生

レクタンギュラー型ケースのモデル「プリンス」が誕生。上部に時針と短針を、下部にスモールセコンドを配置した文字盤が特徴であり、これにより、高い視認性を確保。

脈拍などを計測する医療従事者から高く評価され、“ドクターズ・ウォッチ”の愛称がつきました。

50年代まで製造され、その後、2005年に「チェリーニ プリンス」として復活しました。

1931年:自動巻き機構「パーペチュアル」の開発



ロレックスはリュウズを操作し、ゼンマイを巻き上げる必要のない、360度両方向回転式ローターを採用した世界初の自動巻き機構「パーペチュアル」を開発しました。

オイスターケースを採用したロレックスの防水腕時計には、リュウズ操作後の締め忘れによる浸水を防ぐため、手動でゼンマイの巻き上げが必要のないようにしなくてはならなかったのです。

画期的な全回転式ローターを備えた「パーペチュアル」は、現在のあらゆる自動巻き腕時計の原点となりました。

1931年:クラウンマークの登場

ロレックスのシンボルであるクラウン(王冠)マークはこの年に登場しました。

このマークの由来は「時計の王様」「最高の製品だけを生み出す」という想いから来た説。時計を製造する職人たちの手をモチーフにした説など諸説あります

1945年:「デイトジャスト」誕生

ロレックスは創業40周年を記念して、オイスターケース、パーペチュアル、クロノメーター認定といった今までのロレックスの成果を集約し、加えて、文字盤の3時位置の小窓に午前0時ちょうどに切り替わる日付表示を配置した世界初の自動巻き腕時計「デイトジャスト」を発表します。

以来、小窓の日付表示が腕時計の定番となりました。美しさと機能性を併せ持った「デイトジャスト」はロレックスのロングセラーモデルとなり、不朽の名作となりました。

ロレックスが生み出した「オイスターケース」、「パーペチュアル」、「デイトジャスト機構」の三つは、現代では「ロレックスの三大発明」と呼ばれています。

また、この時期に非営利団体「ハンス・ウイルスドルフ財団」が設立されました。

1953年:プロフェッショナル・ウォッチの開発

ロレックスは深海探検、飛行、登山、化学調査など、特定の場で活動するプロフェッショナルが使用するための、従来の時計以上の機能を備えた腕時計、「プロフェッショナル・ウォッチ(現代では、一般的にスポーツウォッチと呼ばれている)」の開発に着手しました。

「エクスプローラー」の誕生

イギリス陸軍大佐ジョン・ハント卿がエベレスト遠征隊の隊長に任命。この遠征隊はロレックス「オイスター・パーペチュアル」を携行していました。

1953年5月29日午前11時30分、遠征隊メンバーであるニュージーランド出身の登山家エドモンド・P・ヒラリーとシェルパのテンジン・ノルゲイは人類史上初のエベレストの登頂に成功します。

この歴史的な偉業からロレックスは着想を得て、シンプルなデザインで、黒い文字盤に大きなバーインデックスと3・6・9の数字を配置し、高い視認性を持つ、探検家のための腕時計「エクスプローラー」が誕生しました。

「サブマリーナー」の誕生

プロフェッショナル・ウォッチの開発が推し進められ、ダイバーのために、100mの防水機能と回転ベゼルを備えるロレックス初のダイバーズウォッチ「サブマリーナー」(Ref.6200)が誕生しました。

回転ベゼルを使い、潜水時間を一目で確認できる「サブマリーナー」はダイバーの潜水時の安全性を大幅に向上させました。

1955年:「GMTマスター」の誕生

1950年代、旅客機による大陸間旅行が発展し、複数のタイムゾーンを移動することが多くなりました。

アメリカの航空会社、パンアメリカン航空(パンナム航空)がローカルタイム(現地時刻)とホームタイム(母国時刻)の二つのタイムゾーンを把握できる時計をロレックスに依頼します。

この要望に応えるため、ロレックスは「GMTマスター」(Ref.6542)を開発。パンナム航空をはじめ、多くの航空会社の公式時計として採用され、パイロットから高い評価を得ました。

昼夜を区別するための青と赤の2色で色分けされた24時間回転ベゼルと通常の時針と同軸上に配置された24時間で1周するGMT針が特徴的であり、第2タイムゾーンの時刻はこの2つを使って合わせます。

1956年:「デイデイト」、「ミルガウス」の誕生

デイデイト

日付だけでなく、曜日も表示できる世界初の腕時計「デイデイト」が誕生しました。

文字盤の12時位置の小窓にフルスペルの曜日を表示することができ、午前0時ちょうどに日付と曜日が、同時に、瞬時に切り替わります。

ミルガウス

常に磁気にさらされる化学分野に携わる人々の要望に応えるため、耐磁性を備える腕時計「ミルガウス」(Ref.6541)が誕生しました。

ムーブメントは磁気を防げる軟鉄製のインナーケースで覆ってあり、イナズマ型の秒針と回転ベゼルが特徴。最大1,000ガウスまでの耐磁性を備えており、1970年に欧州原子核研究機構(CREN)で行われた厳密なテストでも実証されています。

「ミルガウス」とは、フランス語の1000(ミル)と磁束密度の単位である「ガウス」から取られています。しかし、耐磁性能は一般的なニーズには合わず、「ミルガウス」は1987年で生産が終了しましたが、2007年に復活しました。

1957年:「レディ・デイトジャスト」の誕生

デイトジャストを女性の腕に合うようにサイズを小ぶりにした「レディ・デイトジャスト」が誕生しました。

「レディ・デイトジャスト」はロレックスの日付表示付きで、クロノメーター認定を受けた、初のレディースモデルです。

1960年:深海での偉業

ロレックスは、深海の水圧への耐性を検査するために潜水艇の外側に取り付ける目的で開発された試作モデル「ディープシースペシャル」を開発。

1960年1月23日、スイス人海洋学者ジャック・ピカールとアメリカ海軍中尉ドン・ウォルシュが深海潜水艇「トリエステ号」に乗り、世界最深部であるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵に到達。

潜水世界記録を樹立しました。

このとき、トリエステ号の外側には「ディープシースペシャル」が取り付けられていました。

トリエステ号は10,916mの海底から無事帰還し、取り付けられていた「ディープシースペシャル」も問題なく動いており、オイスターケースの高い性能を証明しました。

また、この年にロレックス創業者、ハンス・ウイルスドルフが死去。ロレックスの所有権は全て「ハンス・ウイルスドルフ財団」に託されました。

1963年:「コスモグラフ・デイトナ」の誕生

1962年、ロレックスはアメリカ・フロリダ州デイトナビーチにあるサーキット「デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ」のオフィシャル・タイムキーパーとなりました。

>これを機にロレックスは、翌年1963年、プロのカーレーサーのニーズに応えるよう設計された手巻き式クロノグラフ「コスモグラフ デイトナ」(Ref.6239)を発表しました。

高い視認性と堅牢性を誇り、洗練されたデザインを持つデイトナは高い評価を受け、以来、ロレックスのアイコンモデルとなりました。

「デイトナ」はロレックス初のクロノグラフではなく、1920年代にはクロノグラフを搭載した腕時計を生産していましたが、あまり成功はしませんでした。

1955年から1961年にかけてロレックスはRef.6234、Ref.6238というクロノグラフを発表しますが、これも成功したとは言えないものでした。(現在、“プレ・デイトナ”と呼ばれ、流通量が少なく、非常に希少価値が高くなっています。)

1967年:「ヘリウムガス・エスケープ・バルブ」、「シードゥエラー」の開発

ヘリウムガス・エスケープ・バルブ

1961年に創業したフランスの潜水作業専門商社「コメックス」は創業当初からロレックスとパートナーであり、コメックスのダイバーはロレックス「サブマリーナー」(Ref.5513)に信頼を寄せていました。

しかし、飽和潜水を行う際に生じるヘリウムガスが腕時計内部に侵入し、潜水後、入り込んだヘリウムガスが内部で膨張し圧力がかかり、風防を破裂させるということがありました。

ロレックスは対策として自動的にヘリウムガスを排出する「ヘリウムガス・エスケープ・バルブ」を開発・特許を取得し、サブマリーナーのケースに搭載。コメックス専用のサブマリーナー(Ref.5514)を開発しました。

文字盤には「ROLEX」と「COMEX」の銘が入っており、コメックスのダイバーにのみ支給され、一般向けには販売されませんでした。

シードゥエラー

コメックスの協力のもと、サブマリーナー(Ref.5514)をベースに最大610mの防水性能を備える「シードゥエラー」(Ref.1665)が開発されました。

1978年には、風防を強化プラスチックからサファイアクリスタルに変更され、ヘリウムガス・エスケープ・バルブを大型化することで1220mの防水性能を備えた「シードゥエラー」(Ref.16660)がリリースしました。

1970年:クオーツモデルの開発

1969年、セイコーが世界初のクオーツ腕時計「クオーツアストロン」を発表。腕時計の主流が機械式からクオーツ式に移り変わった1970年、ロレックスは時流に乗り、初のクオーツモデル「クオーツデイト」(Ref.5100)を発表しました。

ロレックスがスイスの時計メーカーと共同開発したクオーツムーブメント「Cal.ベータ21」を搭載していることから「ベータクオーツ」と呼ばれ、1,000本限定で発売されました。

秒針はクオーツ時計特有のステップ運針ではなく、スイープ運針を採用しています。

後年、ロレックスは自社開発のクオーツムーブメントを搭載した「オイスタークオーツ」(Ref.17000)を発表。デイトジャストモデルとデイデイトモデルが製造されました。

1971年:「エクスプローラーⅡ」の誕生



ロレックスは極地探検家、洞窟探検家向けの腕時計として「エクスプローラーⅡ」を発表しました。

極地や洞窟内でも昼夜の区別ができるよう、24時間針と24時間ベゼルを備えており、「エクスプローラー」よりも機能性・堅牢性が向上しています。

1982年:「GMTマスターⅡ」の誕生

「GMTマスター」の後継機「GMTマスターⅡ」(Ref.16760)が誕生しました。

搭載されたムーブメント「Cal.3085」は時針の単独操作が可能であるため、ホームタイムとローカルタイムの表示に加え、回転ベゼルとの組み合わせにより第3タイムゾーンの表示も可能になりました。

同時期には「GMTマスター」も販売されていたため、区別するために「GMTマスターⅡ」は黒と赤の2トーンベゼルのみ展開されました。1999年、「GMTマスター」は生産を終了しました。

1985年:「904Lスチール」の採用

「904Lスチール」はハイテク技術、宇宙航空、化学産業の分野で用いられるステンレススチール合金です。

多くの時計メーカーに採用されているステンレススチール「316Lスチール」よりも堅牢性に優れ、貴金属並みの優れた耐蝕性を誇ります。

また、研磨性にも優れており、美しい光沢を放つ仕上げを施すことができます。ロレックスは他社に先駆け、1985年以降、すべてのステンレススチールモデルのケースに「904Lスチール」を採用しています。

2018年にロレックスは「オイスタースチール」に名称を変更しました。

1988年:自動巻き「デイトナ」の誕生

ロレックスはスポーツウォッチ唯一の手巻きだった「デイトナ」の自動巻きモデル(Ref.16520)を開発。

搭載されたムーブメント「Cal.4030」はゼニスの「エル・プリメロCal.400]をベースに、ムーブメントの耐久性・安定性を高めるため、毎時36,000振動(毎秒10振動)の振動数を毎時28.800振動(毎秒8振動)にまで落とすなど、ロレックス独自の様々な改良が施されており、高精度を保ちつつ、高い耐久性、メンテナンス性を持った実用的なムーブメントとなっています。

1992年:「ヨットマスター」の誕生

ビーチリゾートを楽しむセレブリティをターゲットに開発されたモデル「ヨットマスター」が誕生。

従来のスポーツモデルとは異なり、立体的にエンボス加工(裏側からプレスして、数字が浮き上がる加工)された両方向回転式ベゼルなど、高級感、優雅さを全面に出した華やかなモデルとなっています。

また、ペアでの装着を想定してスポーツモデルでは初のメンズ、ボーイズ、レディースの3種類のサイズを展開しました。

2000年:完全自社製クロノグラフムーブメント「Cal.4130」の開発

完全自社製クロノグラフムーブメント「Cal.4130」を搭載したデイトナ(Ref.116520)を発表。スモールセコンドと12時間計の位置が変わっているなど、文字盤に変更がみられます。

2005年:「セラクロムベゼル」、「パラクロム製ヒゲゼンマイ」の開発

セラクロムベゼル

ロレックスは一部のスポーツモデルに過酷な状況下でも美しさと機能性を保持するため、「セラクロムベゼル」を開発・特許を取得。

硬質で、耐蝕性、耐傷性に優れ、紫外線による影響を受けにくい特性を持つセラミックを使用し、目盛りと数字は特殊加工により、ゴールドまたはプラチナの極めて薄い層でコーティングされています。

パラクロム製ヒゲゼンマイ

2000年代に入ると、携帯電話の普及により各メーカーが次々と腕時計の磁気対策に取り掛かりました。

ロレックスは独自に「パラクロム製ヒゲゼンマイ」を開発・特許を取得。Nb(ニオブ)とHf(ハフニウム)との合金「パラクロム」から製造される、このヒゲゼンマイは耐磁性と温度変化耐性に優れるとともに、従来のヒゲゼンマイと比べて約10倍の耐衝撃性を実現しています。

2007年:「ヨットマスターⅡ」の誕生

ヨットマスターとは異なり、本格的なヨットレースに対応できるモデル「ヨットマスターⅡ」が誕生。ヨットレースのために1~10分まで選択できるカウントダウン機能を備えたレガッタ・クロノグラフを搭載。

さらにロレックスが開発・特許を取得したムーブメントと連動した両方向回転式ベゼル「リングコマンドベゼル」によりシンプルな操作性を実現しています。

2008年:「ディープシー」の誕生

「シードゥエラー」の後継機として「ディープシー」(Ref.116660)が誕生しました。

名前は、1960年、潜水艇「トリエステ号」と共にマリアナ海溝最深部に到達した試作モデル「ディープシースペシャル」からとられています。

「ディープシー」はロレックスが新開発した防水構造「リングロックシステム」を採用しており、これは、ケースを三重構造にし、厚さ5mmのドーム型サファイアクリスタル、ミドルケースに内蔵された窒素合金ステンレススチール製の高性能耐圧リング、グレード5チタン製の裏蓋で構成され、これにより、3,900mもの防水性能を実現しています。

2012年:「スカイドゥエラー」の誕生

ロレックスは世界中を飛び廻る旅行者、ビジネスマン向けに第2タイムゾーンの表示、年次カレンダーを搭載した複雑モデル「スカイドゥエラー」を発表。

独自の年次カレンダーは天文現象からインスピレーションを受け、「サロス」と名付けられました。「スカイドゥエラー」は「ヨットマスターⅡ」と同じく、「リングコマンドベゼル」が搭載されており、日付、ローカルタイム、ホームタイムのいずれか設定したい機能を素早く選択することができます。

月は文字盤のインデックス外周の小窓の色で表示されます。

二度目の世界最深部到達

2012年3月26日、映画監督でナショナル・ジオグラフィックの探検家「ジェームズ・キャメロン」が、潜水艇「ディープシー・チャレンジャー号」に乗り、マリアナ海溝最深部、チャレンジャー海淵への初の単独潜水に成功し、世界最深部、10,908mに到達。

これは1960年のトリエステ号の最深部到達以来、史上二度目の快挙となります。トリエステ号同様、このときもロレックスは同行し、二度目の歴史的潜水に立ち会いました。

ロレックスは12,000mの防水性能を持つ試作モデル「ディープシーチャレンジ」を開発し、「ディープシー・チャレンジャー号」の油圧マニュピュレーターアームに取り付けられました。

「ディープシー・チャレンジャー号」は7時間にわたる潜水(その内、最深部での作業を3時間)後、無事帰還。取り付けられた「ディープシーチャレンジ]は無傷で、完璧に動いており、ロレックスの腕時計は二回目の世界最深部に到達した唯一の存在となりました。

2014年:「シロキシ・ヘアスプリング」の開発

ロレックスは、5件の特許を取得したシリコン製ヒゲゼンマイ「シロキシ・ヘアスプリング」を開発し、レディースモデルに採用します。

常磁性があり、温度変化にも強く、耐衝撃性に優れており、女性用腕時計では優れた精度を実現しました。

2015年:「オイスターフレックス・ブレスレット」の開発

ロレックスは新しいブレスレット「オイスターフレックス・ブレスレット」を開発・特許を取得。

ラバーの中心部に超弾性のメタルブレードを内蔵することで、メタルブレスレットの堅牢性と信頼性に、ラバーストラップのしなやかさと快適さ、美しさを備えています。

「ヨットマスター」(Ref.116655)と(Ref.268655)に初めて採用されました。

「高精度クロノメーター」の制定

2015年、ロレックスは独自の規格「高精度クロノメーター」を定めました。

ロレックスのムーブメントはクロノメーター認定後、ケーシングし、精度、パワーリザーブ、防水性能と自動巻において着用時に最高の性能を発揮することを保証するために、自社内で厳しい検査を実施。

「高精度クロノメーター」の平均日差は、COSCのクロノメーター基準の二倍以上の精度に匹敵する、-2~+2秒以内に調整されます。

「高精度クロノメーター」のロレックスの腕時計には証として、グリーンのタグがつけられ、5年間の保証が適用されます。

2022年:「ディープシーチャレンジ」の製品化

2022年11月2日、ジェームズ・キャメロンのマリアナ海溝単独潜水の際に同行した試作モデル「ディープシーチャレンジ」を製品化。

試作モデルの「ディープシーチャレンジ」とほぼ同等の11,000mという驚異的な防水性能を備えています。

また、ロレックス初のチタン製モデルであり、ケースの素材は「RLXチタン」と名付けられたグレード5チタンを採用しています。耐蝕性、堅牢性に優れ、重さは「904Lスチール」を採用した試作モデルの「ディープシーチャレンジ」よりも30%軽量化しています。

歴代ロレックスモデルを紹介

コスモグラフ デイトナ(Ref.6263)

1970年に登場した、第三世代のデイトナ。プラスチックベゼルとスクリューロック式のプッシャーを備えた、手巻きデイトナの最終型。

ムーブメントは傑作として名高い「Cal.727」を搭載しており、生産時期によって文字盤の「DAYTONA」の表記の有無など、違いがあります。

また、レアモデルとして「エキゾチックダイアル」(ポール・ニューマンダイアル)を備えたモデルが存在し、現在では数千万円という価格が付けられています。

サブマリーナー(Ref.6538)

1950年代に登場した、第二世代のサブマリーナー。大型のリューズと200mの防水性能を備えています。映画「007」でジェームズ・ボンドが着用したモデルです。

シードゥエラー4000(Ref.116600)

2014年に登場した、第4世代「シードゥエラー」。基本的なデザインは変わりませんが、ケース径を40mmにし、インデックスと針は大型化され、夜光塗料にクロマライトを採用。

耐傷性、耐蝕性に優れるセラミック製の60分目盛り入り逆回転防止ベゼルを備えるなど、視認性と信頼性を向上させたプロダイバー向けのモデルとなっています。

2014年~2017年のわずか3年間しか生産されなかった短命モデルです。

GMTマスターⅡ(Ref.16710)

「GMTマスターⅡ」のセカンドモデル。青と赤、黒と赤、黒の3種類のベゼルカラーが展開されました。

また、ムーブメントを「Cal.3085」から「Cal.3185」に変更され、耐久性、耐振性が向上しています。

チェリーニ プリンス(Ref.5440/8)

1928年に誕生した「プリンス」の復刻モデル。基本的なデザインはオリジナルの「プリンス」を踏襲しつつ、現代風にアレンジされ、ロレックス唯一のシースルーバックを備えています。

Ref.5440/8、を含め、Ref.5443/9、Ref.5442/5、Ref.5441/9の4種類のデザインが展開されました。

デイトジャスト・ターノグラフ(Ref.116264)

1953年に登場したロレックス初の回転ベゼルを備え、“スポーツモデルの原点”とも言われている幻のモデル「ターノグラフ」(Ref.6202)の復刻モデル。

名前はベゼルが回転し0に戻る「ターン・O(オー)」からとられています。デイトジャストの派生モデルであり、回転ベゼルと赤色の秒針と日付が特徴的でスポーティーな印象を持っています。

現代のロレックス事情は?

人気モデルが入手困難に

ロレックスは現在、その世界的な人気ゆえに需要に対して供給が追い付かず、正規店では常に品薄状態が続いており、欲しいモデルを手に入れるため、複数の正規店を巡ることをマラソンに見立てて、「ロレックスマラソン」という言葉が生まれるほどです。

さらに人気モデルは定価の2倍、3倍のプレミア価格で売却できるため、投資・投機対象として購入する人が増加し、品薄状態に拍車をかけ、価格の高騰が続いていました。

しかし、2023年現在、中国経済の悪化、不動産バブル崩壊により、ロレックスを売る動きが強まり、ロレックスの相場が下落しています。

カスタムロレックスが注目されている

現在、ロレックスが販売しているモデルのほかに、カスタム時計メーカーによる「カスタムロレックス」が注目されています。

世界で最初のロレックスのカスタムメーカーで、DLC加工を施したモデルを提供する「プロハンター」、様々な塗装やカスタムが施されたモデルを提供する「バンフォード・ウォッチ・デパートメント」、ロレックスのカーボンケースモデルを提供する「DIW」、スケルトン文字盤のロレックスを提供する「スケルトン・コンセプト」など、多数のカスタム時計メーカーが存在します。

人とは違う個性を主張することができますが、ロレックスの正規サービスを受けられないというデメリットがあります。