腕時計に使用されている外装素材が知りたい方で、「素材ごとの特徴を知りたい」「素材のメリットやデメリットも気になる」などと考えている方も多いのではないでしょうか。
腕時計に使用されている外装素材は、豊富に存在し、デザインや質感も素材ごとに異なります。
この記事では、腕時計に採用されている主な外装素材11つの特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
また、ケースやバンドの定期的なメンテナンスについても紹介していますので、お手入れ時の参考にしてください。
腕時計に使用されている主な外装素材11つの特徴を解説
腕時計に使用されている主な外装素材11つは、以下のとおりです。
- ステンレススティール(SS)
- チタン
- シルバー
- ゴールド
- ブロンズ
- プラチナ
- セラミック
- カーボン
- PVD
- ザリウム
- プラスチック
それぞれ特有の性質があり、見た目や質感も異なります。特徴を理解して、時計選びの参考にしましょう。
ステンレススティール(SS)
腕時計の外装素材として、最も一般的に採用されている素材の一つに、ステンレススチールがあります。
ステンレススチールは、汚れや傷がつきにくい上に錆びにくく、耐久性に優れてるという特徴があります。
耐久性に優れているので、日常的に使用する腕時計に最適な素材のため、多くのメーカーが採用しています。
一方でデメリットもあり、金属アレルギーの方には使用が難しく敬遠されやすいです。
また、ステンレススチールの表面には、指紋や汚れが付きやすく、清潔に保つにはこまめに拭いたり、専用クリーナーを使用する必要があります。
- 錆びにくく耐久性に優れている
- 比較的軽量である
- 装着感が良い
- 金属アレルギーの方には不向き
- 汚れが目立ちやすい
- 重みがある
チタン
高級腕時計の外装素材として人気があるのがチタンです。非常に軽量でありながら、頑丈な素材のため高級腕時計の外装素材として採用されることが多いです。
また、錆びにくい性質を持ち合わせ、金属アレルギーの方にも優しい素材として知られています。
一方デメリットは、加工が難しく、製造コストが高いことが挙げられます。そのため、ステンレススチールよりも高価になる傾向があります。
- 軽量である
- 耐久性に優れている
- 傷がつきにくく、錆びにくい
- 金属アレルギーが起きにくい
- 高価である
- 光沢感が少ない
- 軽いため安っぽく感じる場合も
シルバー
シルバーは、腕時計の外装素材として古くから使用されている素材です。非常に鮮やかで光沢があり、高級感があるのが特徴です。
また、金属アレルギーが起こりにくく、皮膚に優しい金属であるという利点があります。
一方シルバーにもデメリットがあり、比較的柔らかい素材のため、傷がつきやすく変形しやすいという弱点があります。
また、空気中の酸素や硫化物に反応して、黒ずみが発生するという問題もあります。そのため、定期的にクリーニングをして外観を保つ必要があります。
- 光沢があり高級感がある
- 金属アレルギーが起きにくい
- 傷がつきやすく変形しやすい
- 黒ずみが発生する
ゴールド
ゴールドは、金属特有の輝きと高級感があるため、非常に人気の素材です。高い耐食性があり、年数が経過しても錆びにくく、変色しないため、長期間にわたって美しさを保ち続けます。
またゴールドに、銀や銅などを混合することで、ホワイトゴールドやイエローゴールドなどと、さまざまな色合いを見せてくれる素材でもあります。
一方ゴールドのデメリットは、非常に高価であり、予算の限られた人には手が届きにくいということがあります。
また、柔らかい素材であるため、傷がつきやすく、変形しやすいことも挙げられます。
- 美しく高級感がある
- 耐食性がある
- 非常に高価である
- 傷がつきやすく変形しやすい
ブロンズ
ブロンズは、独特な色合いと経年劣化で色が変化するのを楽しめる素材です。
一般的にブロンズは、錆びやすく耐アレルギー性能に弱いため、腕時計の外装素材として採用されることはほとんどありません。
しかし、チューダーなどの一部の高級腕時計に採用され、経年変化を楽しむ目的で発売されているモデルもあります。
経年変化が楽しめる一方で、変形しやすいという弱点があります。また、色合いの変化を楽しめる方には最適ですが、変色を嫌う方には不向きな素材と言えます。
- 独特な色合いを楽しめる
- 経年変化を楽しめる
- 変形しやすい
- 変色を嫌う方には不向き
プラチナ
プラチナは、最上級の光沢感や高級感から高い人気のある素材です。銀白色で美しく輝く質感は、上品で洗練された印象を与えます。
また、耐食性に優れており、変色しにくいため、長く使用しても美しさを保てる素材です。
一方デメリットとしては、希少な金属のため、他の素材より高価であることが挙げられます。また、柔らかい素材のため、傷がつきやすく、変形しやすいという難点があります。
- 銀白色で美しい
- 高級感がある
- 変色しにくい
- 高価である
- 傷がつきやすく変形しやすい
セラミック
セラミックは、手触りの良い質感や硬度の高さが特徴の素材です。
セラミックは非常に硬度が高く、傷がつきにくいという性質があるため、長期間にわたって美しい状態を保てる素材です。また、金属ではないので、錆びることなく、変色しづらいという利点もあります。
一方デメリットは、加工が難しく、製造コストがかかるため値段が高いことが挙げられます。また硬度が高く傷はつきにくいのですが、割れや欠けが生じやすい素材のため、取り扱いには注意が必要です。
- 手触りが良い
- 傷がつきにくい
- 錆びることがない
- 高価である
- 割れや欠けが生じやすい
カーボン
カーボンは、軽さと強度をあわせ持つ素材として人気があります。
重さが鉄の1/4程度であるにもかかわらず、強度は約10倍という特性を誇ります。
カーボンは、宇宙開発などで使用されており、加工が難しく製造コストもかかるため、一部の高級腕時計にしか採用されませんでした。
しかし、近年の技術の向上により、G-SHOCKなどの比較的安価な腕時計にも使用され始めました。
デメリットとして、強度が高い反面、割れやすいという弱点があります。
- 非常に軽い
- 強度が高い
- 割れやすい
- 高価な傾向にある
PVD
PVD(Physical Vapor Deposition)とは、金属やその他の素材に対して薄い膜を形成することにより、耐摩耗性や耐腐食性を向上させる表面処理技術のことです。
真空装置の中で行われるため、皮膜は極めて薄く、0.002mm〜0.004mmの範囲内で形成されます。
PVD処理の膜は、非常に薄いのにもかかわらず、硬度が高く傷や擦り傷に対しての耐久性があるのが特徴です。
一方デメリットは、膜の厚さが薄いため、年数が経過すると剥がれてくる場合があります。また、変色する可能性もあるので注意が必要です。
- 硬度が高く傷に強い
- 年数が経過すると剥がれる
- 年数が経つと変色する
ザリウム
ザリウムはジルコニウムをベースにした合金素材で、軽量でありながら、耐酸性や耐食性に優れた素材です。
主に宇宙工学の分野で使用され、変形や摩耗にも強く、美しい光沢を帯びている特性から、高級腕時計に採用されることが多いです。
デメリットとして、加工が難しく、高い技術力が必要なことから、製造コストが高くなる傾向があります。そのため、超高級腕時計に使用されることが一般的です。
- 軽量である
- 耐酸性や耐食性に優れている
- 美しい光沢を帯びている
- 高価である
プラスチック
プラスチックは製造コストが低いので、比較的安価で販売され、カラーバリエーションが豊富なことが特徴です。
また、金属アレルギーの方にも安心して使用していただける素材です。
一方デメリットは、傷がつきやすく変形しやすいので、耐久性に劣ります。さらに、高温や紫外線による劣化も起こりやすいので、長期的な使用は不向きと言えます。
特性上、高級腕時計に使用されることは少ないですが、軽量で扱いやすいため、アウトドアなどの使用に適しています。
- 安価である
- カラーバリエーションが豊富にある
- アレルギーフリーである
- 耐久性が劣る
- 高温や紫外線に弱い
- 安っぽく感じることも
腕時計の外装素材に定期的なメンテナンスは必要?
腕時計の外装素材の定期的なメンテナンスは、可能な限り実施することをおすすめします。
ステンレスやチタン、高級腕時計に使用されている素材は、耐久性に優れていますが、日常的に使用し、時間が経過すると傷や汚れなどが目立ちます。
そのため、メンテナンスを行なった場合とそうでない場合を比べると、外観に差が出てくるのです。
汚れを放置すると、錆や腐食の原因になり、簡単なクリーニングでは落とせない事も多いです。結果的に、ベルト交換対応になり、高額な費用がかかるケースもあります。
そのため、使用したら柔らかいタオルで拭き、時々柔らかいブラシなどで汚れを落としてあげると、長い間綺麗な状態を保てます。
また、専用のクリーナーや、プロのクリーニングサービスを利用すると、より長く美しい状態を維持できるでしょう。
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まとめ:素材にも注目して腕時計を選ぼう!
腕時計を選ぶ際はブランドやデザイン、性能やカラーなど様々ですが、素材に注目してみるとまた新たな視野が広がります。
同じ素材でもブランドごとに色合いが違い、質感が異なることも多いので、腕時計選びがさらに楽しくなるでしょう。
自身が購入したいと考える腕時計にはどのような素材が使われているのか、また、どのような特徴があるのか、素材に注目してみるのもポイントです。